24年10月 3日
現在の3D測定結果に満足していますか? 正確かつ再現性に優れ、信頼できると確信できますか? 記事を見る自動化とは、テクノロジーの活用によって人の介入を最小限に抑えて部品を製造・出荷することです。自動化システムを製造工程に組み込むことで、これまでは人の手で行っていた多くの作業の効率性や信頼性、再現性が向上します。作業員は、繰り返しの少ない、判断を必要とする活動に集中して取り組めるようになります。
自動化によって部品廃棄率、生産廃棄物、再加工が減り、継続的改善と生産性の向上につながります。このブログ記事の目的は、自動化ソリューションに興味はあるものの新たな技術の導入をためらっている製造企業に指針を提供することです。具体的には、以下の質問に答えていきたいと思います。
- 自動化はどのように問題解決に役立ち、企業の最終利益の向上に不可欠な存在となるのか?
- 生産性の向上を、具体的にどのように企業の運営管理や財務管理に変換できるのか?
- 製造企業は、どのように新たな技術に慣れ親しめばいいか?自動化の可能性をいかに活用できるか?また、生産性の向上をいかに日々の活動に生かせるか?
ダウンストリームの修正ではなく、アップストリームの管理
一般的に、企業は、現在抱えている直近かつ緊急の問題を解決するため、即効性のある解決策を探そうとします。したがって、重要な問題を解決するための是正措置が後手に回り、是正措置が取られるのは、主として生産ラインのダウンストリームです。
より効果的なアプローチは、不適合につながった作業順序を調査することです。製造工程を追跡することでアップストリームの行動を特定でき、これによって、再発する問題の解決に必要とされて、ダウンストリームで行われている努力を大幅に軽減できます。つまり、積極的是正策を取れば、品質の問題を一度にすべて解決できます。
積極的是正策には、自動管理がカギになります。自動化は、アップストリームで異常が発生した時点ですぐ、その異常がダウンストリームで重大な欠陥になる前に異常を発見するのに役立ちます。これにより、問題の拡大を防ぎ、欠陥部品が製造されて顧客に送られる前に是正措置を講じることができます。
生産性向上の具体的な影響
自動化によって得られた生産性の向上を、製品品質の向上、未熟な作業員への対応、新製品の開発と市場化時間の短縮に充てることができます。
具体的に言えば、製品品質の向上とは、一般的に製造企業にとって大きな金銭的損失である再加工、廃棄部品や生産廃棄物の軽減(望ましくは排除)を意味します。3Dスキャナーやロボット、自動化システムといった新たな技術は、製品の品質を継続的に管理するよう設計されています。こういったソリューションを組み込めば、品質は向上し、生産工程の効率性や信頼性、再現性も改善し、生産コストの削減につながります。
自動品質管理システムによって製品品質を確保できるため、熟練作業者をより有効に活用できるようになります。例えば、データの分析、不適合品の発生原因の特定や是正策の提案に取り組ませるなどです。そうすることで、熟練工は企業の収益性の向上に貢献でき、不適合部品の再加工という単純作業よりずっとやりがいを見出せます。
調査で裏付けられた、自動品質管理(AQC)を実装する理由
自社の製造工程にAQCシステムを実装することを選択した理由を尋ねたところ、43%がより早い段階で問題を突き止めたい、つまり、生産廃棄物や再加工を排除したいからと回答しました。また、39%が人的ミスを排除したい、つまり、再現性を向上させたいからと回答しました。
調査で明らかになった、AQCシステムの実装を妨げる要因
AQCの実装を妨げる主な理由を尋ねたところ、39%の回答者がロボット工学に精通した従業員の不足を挙げ、36%が高額であることと投資利益率(ROI)に関する情報が不足していることを挙げました。
ROIの算出
ROIに関する情報不足を補うため、専門家に尋ね、低品質に起因するコスト(COPQ)に関する有効なデータを得ました。COPQは、システム、工程および製品に問題がなくなれば、つまり、不良品発生率がゼロになれば、なくなるコストです。
不良品発生率は、平均で、大手メーカーの場合、営業収入の0.6%、効率性で劣るメーカーの場合は2.2%となっています。別の資料では、COPQが製造業およびサービス業の企業で総売上高の5~30%相当に上ることが明らかになっています。したがって、5,000万ドルの売上高に対して生産廃棄物、廃棄部品や再加工をわずか1%削減するだけで、年間50万ドルの節約になるのです。
製品品質を向上するということは、製造企業にとって最も頭の痛い金銭的損失の原因の1つである不良品発生率を削減するということです。さらに、製品品質の向上と同じペースで、AQCソリューションに必要な投資も1年ほどで回収できます。
ロボット工学の専門知識
ロボット工学のスキルや専門知識を持った従業員の不足によって、プロジェクト開発がいかに妨げられるかについてより詳しく探るため、設計、統合、運用のどの段階で最も不安を感じているか、製造企業に対して調査を行いました。しかし、回答からは、不安に感じる段階を特定することはできませんでした。
そこで、この情報を基に、簡単な3ステップのワークフローを作成しました。これは、いずれロボット工学プロジェクトを開始するとき、すなわち、自動化の可能性を活用するときに備えて、製造企業が3Dスキャナーやロボット、自動化システムといった新たな技術により親しめるようサポートするためのものです。
新たな技術に親しめるようにする3ステップ・ワークフロー
ステップ1:
製造工程において改善が必要な作業を探し出して、解決策として自動化がふさわしいかどうか評価します。上記の例を基にROIを算出します。自動化は継続的改善の素晴らしいツールですが、手動ツール(測高器やマイクロメーター)をハンディタイプの3Dスキャナーに変えるだけで、生産性向上にもつながる場合があります。
ステップ2:
自動化する作業を特定し、財政的に理に適うと判断したら、次は、部品測定に適した技術の選定です。3Dスキャン技術を活用すれば、メトロロジー・グレード(工業用寸法検査グレード)の測定結果が得られます。AQCで収集したデータを基に重要な決定がなされることになるため、ふさわしい技術の選定は極めて重要です。MetraSCAN-R BLACK|Eliteは、複雑な形状の部品であっても、様々な仕上げを施した材質(反射材など)の部品であっても、再現性に優れた極めて精度の高い測定結果が得られるよう設計されています。
ステップ3:
最終的に、設計段階や統合段階で手こずって、ロボット工学プロジェクトの推進が阻まれることのないようにする必要があります。専門知識を持つシステム・インテグレーターは、ロボット工学システムの実装をサポートしてくれます。ただし、システム・インテグレーターに設計段階と統合段階をサポートしてもらったとしても、ソリューションのエンジニアリング費用に加え、プロジェクトの管理作業のいくつかは、製造企業が行う必要があります。
そこで、MetraSCAN 3D-Rの能力を最大限に活かせるCUBE-Rなどのターンキー・ソリューションを選択する手もあります。CUBE-Rは、アットライン検査用として、システム・インテグレーターの手を借りることなく工場に統合できるよう設計された生産性に優れた工業用測定セルです。
最終利益の向上につながるAQC
品質管理工程に自動化を組み込んでいる世界中の製造企業は、製造工程のより早い段階で欠陥を発見できるようになり、人為的ミスも軽減できるようになっています。廃棄部品も製造廃棄物も減り、再加工も最小限に抑えられるようになったため、最終利益も向上しています。
つまり、自動化によって、製造工程の効率性、信頼性および再現性が向上し、その結果、生産コストを軽減でき、より良い製品をより多く顧客に届けられるようになり、迅速かつ効果的に投資の元を取れるようになるということです。