24年10月 3日
現在の3D測定結果に満足していますか? 正確かつ再現性に優れ、信頼できると確信できますか? 記事を見るこの10年で航空宇宙産業の品質管理ワークフローは格段の進歩を遂げたものの、より複雑な部品の開発、ますます厳しくなる許容差、生産性向上を求める市場の圧力により、検査の効率性に関わる課題は依然残ったままです。
その理由は、検査プロセスそのものが、スループットの最適化を阻むボトルネックとなってしまっている場合が少なくないからです。
検査サイクルを短縮しつつ生産した部品の構造的な完成度も確保するため、自動品質管理ソリューションに頼ろうとする航空宇宙産業用部品メーカーや、航空機整備・修理・分解点検(MRO)を担う企業がますます増えています。
しかし、数年前までは、米国、メキシコおよびヨーロッパに拠点を持ち、高精度の複雑な形状の航空宇宙産業用部品や組立構成品を専門に加工するConsolidated Precision Products(CPP)社をはじめとする、航空宇宙産業で事業を行う多くの企業に、部品の3D測定プロセスを自動化するという選択肢はほとんどありませんでした。
検査チームは、依然として、従来の非効率的な方法で3D測定を行う寸法検査の専門家に頼らざるを得ず、それは、自動品質管理なら叶えられる高性能、高生産性とは程遠いものでした。
自動化への変革:CPP社のターニングポイント
CPP社の上級製造エンジニアであるダッシュ・タヒラジ(Dash Tahiraj)氏は次のように述べています。「品質管理工程の自動化は不可避でした。弊社は、不適合部品を特定するためのプロセスサイクルで、すべての鋳物を正確かつ素早く分析する方法を求めていました。それができれば、不要な工程を排除でき、顧客の不満も軽減できる上、傾向を見極めて、今後のワークフローの改善に役立てることができるからです」
CPP社の要件は、時間とともに拡張可能な、高度な製造ソリューションに切り替えるというビジョンに基づいていました。特に、CPP社のチームは、従来の方法では不可能だった、極めて高い精度で測定でき、これまでにないスピードと効率性も実現する、より現代的な3D測定ソリューションを求めていました。
自動品質管理の能力を向上させるCreaformのR-Series
CPP社の自動QCワークフローにシームレスに組み込める3D測定ツールを市場調査したチームは、CreaformのR-Series™ 3Dスキャンソリューションを選びました。
タヒラジ氏は次のように述べています。「最先端の自動化技術を搭載したCUBE-R™工業用測定セルは、品質管理チーム自らが砂型鋳物のチェックを行うことを可能にしました」
アットライン検査実施用に生産環境に統合できるよう設計され、ターンキーソリューションとしても、完全にカスタマイズ可能なソリューションとしても提供可能なCUBE-Rは、検査数がどれだけ多くとも、精度を落とすことなく3D測定とデータの取り込み工程を自動化できます。
複雑な部品の3Dスキャン実施工程の課題や問題を克服
タヒラジ氏は、次のようにも述べています。「CUBE-Rには、Creaformの高性能ロボット搭載型光学式CMMスキャナーである、MetraSCAN 3D-R™が使われ、極めて複雑な、入り組んだ表面部分の3D測定データも素早く正確に、しかも同時に得られます」
「このシステムは、さまざまな大きさの鋳物のスキャンに最適です。ダイナミックリファレンシング機能を備えた光学式トラッカーを使えば、スキャナーや部品を動かしても測定精度を維持できます。シンプルなインターフェース、また、部品のプログラミング後に自動で大量検査を実施できる能力は、検査ワークフローを全く新しいレベルへと押し上げるために私たちが必要としていたものでした」
CPP社の検査工程の現状
Creaformのソリューションは、CPP社の生産ラインに容易に組み込むことができました。当初から、ユーザーチームのフィードバックは非常に肯定的でした。タヒラジ氏は、Creaformの専門知識は極めて高い「A+」であり、トラブルシューティングサービスも常に納期どおり、レスポンスも早いと指摘しています。
今では、CUBE-RとMetraSCAN 3D-Rを活用し、鋳物を顧客に発送するまでに行ういくつかの作業の合間にそのほとんどをスキャンしています。
タヒラジ氏はこう結んでいます。「弊社のスキャンプロセスの性質上、測定には精度とスピードが求められます。Creaformのスキャナーがなければ、スキャンプロセスは極めて困難なものになったでしょう」