3Dスキャナーにより、かつての最速列車の姿を細部まで永遠に

高級志向の観光客を、東京から、箱根や富士山といった山のリゾート地や、小田原や江の島といった海のリゾート地へと短時間で運べる新型列車を開発する。これは、小田急電鉄が、1957年にロマンスカーの設計に着手したときに掲げた目標でした。愛と情熱を想起させるその名とは裏腹に、このリゾート列車は、狭軌列車世界最速記録である145 km/h(90 mph)を塗り替え、初代新幹線(英語での呼び名はbullet train)の設計の推進力となりました。

神奈川県海老名市に、2021年4月に開館したロマンスカーミュージアムがあります。新幹線に次いで有名なロマンスカーの歴史をたどれる場所です。運転席からの感動的な旅を体験できるシミュレーターや新宿と箱根を結ぶ路線を再現したジオラマ。ギャラリーには、引退した2車種の先頭車両に加え、客車も展示され、時代を超えて愛される歴代のロマンスカーを間近で見ることができます。

このミュージアムという素晴らしい環境で、アンリツ株式会社の環境計測カンパニーは、初代ロマンスカーを3Dデータに変換するという機会を得ました。Go!SCAN SPARKを活用することで、エンジニアは、ロマンスカーを象徴する車両を細部に至るまで分析できました。では、時を超えて捉えられたその姿をご案内しましょう。

ロマンスカーをまるまる3Dスキャン

Go!SCAN SPARKを使い、初代ロマンスカーの姿を丸ごと3Dデータに変換しました。中央に円形のヘッドライトが付いた流線型の正面部分、(過ぎ行く風景を楽しむのに不可欠な)大きな窓枠、運転席やシートなど、ロマンスカーを象徴する車両にしかない特徴のすべてがデジタル化されています。広範囲に及ぶ特徴から込み入った細部まで、アンリツのエンジニアたちは、車両表面の凹凸や歪みを測定して再現しました。

Go!SCAN SPARKだから、3Dデータへの変換が素早く容易に

 素早く容易な3D体験が味わえるよう設計されたGo!SCAN SPARKは、特別なセットアップも表面調整も必要なく、1秒あたり最大で1,500,000の測定値が得られます。ビデオでご覧いただいたように、機器を向けて撮るだけです。

このプラグアンドプレイ機器は極めて使いやすく、経験がなくても、誰でも数分で対象物(列車のコンパートメントほどの大きさのものも)をスキャンできます。シンプルなユーザー・インターフェースによって、メッシュでリアルタイムに可視化され、お使いのCADソフトウェアに素早く統合できます。

 ビデオでご覧いただいたように、Go!SCAN SPARKの高解像度と詳細度によって目を見張る結果が得られ、色彩やテクスチャの情報も同時に取得します。Go!SCAN SPARKは扱いやすく、軽量で持ち運びしやすいため、ロマンスカーの丸ごとスキャンも難なく行えます。

Go!SCAN SPARKはすべてにおいて、3Dスキャン作業の効率化と楽しい体験につながるよう考慮されています。

小田急電鉄の新型車両、赤いロマンスカー

ロマンスカーの象徴的車両のさよなら運転は、1992年3月8日に行われました。多くの鉄道ファンが詰めかけ、車両の写真を撮りました。この熱狂に後押しされ、小田急電鉄は、広くその名を知られたロマンスカー・シリーズの次世代車両を発表しました。新型ロマンスカーの車体は、まさにあの初代への敬意を表した独特な赤色です。

予想どおり、展望席は、座席数を上回る人気になっています。ロマンスカーミュージアムは、歴史愛好家や昔を懐かしむ鉄道ファンが象徴的な車両を間近で見、称えることのできる場所であり続けます。そして、訪れた人々は、その姿がけして失われることがないことに安堵するでしょう。なぜなら、その姿は3Dデータとして永遠に残されているのですから。

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