3Dスキャナーとは?原理や基礎技術、用途に応じた選び方を解説

3Dスキャナーの購入担当になったものの、何から探せばいいのかわからない。3Dスキャンについては知っているものの、十分な情報を得た上でスキャナーを選択するほどの知識はもっていない。

ここでは、そのような悩みにお答えする情報をご提供します。

  • 3Dスキャナーの仕組みは?
  • どのような種類の3Dハンディタイプ・スキャナーがあるのか?
  • 3Dスキャナーを購入する際に、何を考慮すべきか?
  • 自分の用途や業種向けに最適なハンディタイプの3Dスキャナーを選ぶ方法は?
  • どの位の価格の3Dスキャナーを購入すべきか?

このブログをお読みになれば、用途や予算に応じた最適な3Dスキャナーを選べるようになります。また、同僚の方の3Dスキャナー購入の判断のサポートや指針もご提供できるようになるはずです。

ハンディタイプの3Dスキャナー:基盤技術

それぞれの3Dスキャン技術の仕組みの違いは何か?

3Dスキャナーは、様々な3Dスキャン技術を利用して、3Dモデル構築に使うために必要な3Dデータを収集します。これらの3Dスキャン技術は、以下のカテゴリーに分類されます。

三角測量ベースの3Dレーザースキャナー

このカテゴリーのスキャナーは、レーザーエミッター、レーザー反射、カメラの3要素から構成され、これらの要素がその名のとおり三角形に配置されています。三角測量ベースの3Dレーザースキャナーでは、レーザーラインを測定対象物に照射し、反射させています。そのレーザー反射をカメラで検出し、対象物の形状とテクスチャを評価します。

 

三角測量ベースの技術では、レーザーエミッター、対象物でのレーザー反射、レーザー反射を捕捉するカメラが三角形を形成しています。

三角形に配置された、レーザーエミッター、対象物上でのレーザー反射、カメラ

 

レーザーを使った三角測量では、物理的な物体や環境の測定ができます。物体または環境の形状、幾何学的配置、またはテクスチャに応じて、レーザーは表面の様々な位置に当たります。その結果、反射されたレーザー光の角度や位置はカメラの視野内で異なることになります。センサー上の反射スポットの位置とレーザー光源からセンサーまでの距離に基づいて、対象物までの距離が計算できます。

ハンディタイプの3Dレーザースキャナーは、デバイスが動いていても、三角測量によって3Dモデルを作成します。基準となるフィーチャー(通常、スキャンされる表面上に粘着された反射ターゲット)を使用してスキャナーの位置を決定して、モデルが形成されます。

三角測量ベースの3Dレーザースキャナーを採用する理由は、複数挙げられます。これらのスキャナーは、ポータブルながらも優れた精度を有しています。したがって、振動や不安定さのある生産現場でも、測定結果の精度には影響が現れることなく使用できます。とはいえ、その価格は求める精度レベルに比例します。

構造光3Dスキャナー

構造光3Dスキャナーは、上記の三角測量技術を使用していますが、レーザーの代わりに構造光を使っています。このタイプの3Dスキャナーは、一連の光線を物体の表面に投影します。次に、カメラが投影されたパターンの変形を測定し、視野内の各点について、3Dスキャナーから物体表面までの距離を計算します。3Dスキャンに使用される構造光の光源は、白色または青色です。

物体表面に青色光と白色光を投影する構造光3Dスキャナー

3Dスキャンに使用される青色と白色の構造光の光源

レーザー3Dスキャナーではなく、構造光3Dスキャナーを選択する主な理由は、スピードです。構造光を使った技術では、一点毎を同時にスキャンするのではなく、視野全体を一瞬でスキャンするため、広い範囲を飛躍的に高速スキャンできます。しかも、ほとんどの構造光技術で、目に安全な光線を使っています。とはいえ、構造光3Dスキャナーは、照明条件や反射面の影響を受けやすいため、日光の当たる屋外での使用は困難です。

深度センシングカメラ

深度センシングカメラは、ロボット、トラクター、フォークリフトなどの自律走行に利用され、これらが人間によるナビゲーションを必要とせずに動き回れるようにします。これらのデバイスは、光源(レーザーまたはLED)を使用して、近傍の環境に光のパターンを投影します。そのパターンの歪みをもとに、センサーが様々な障害物までの距離を算出し、走行車の障害物回避を可能にしています。このプロセスによって、深度センシングカメラと統合された機器や装置は、自律的に移動しながらインテリジェントな決定をリアルタイムで下せます。

深度センシングカメラの主な利点は、そのシンプルさと手頃な価格です。しかし、測定精度と詳細さのレベルは、測定対象物からの距離によって影響を受けることがあります。深度センシングカメラは、物体の存在は検知できますが、その精度レベルから、正確な測定器としては使用できません。

写真測量法

写真測量(フォトグラメトリー)法は、画像(写真)を用いて、物理的な物体やその環境に関する3D情報を取得する方法です。数学的なアルゴリズムを用いて、大きな物体、建物、場所の写真を重ね合わせ、これらを3Dモデルや3D画像に変換します。写真測量法は、リアルな3Dアセット作成ツールとしても利用できます。

写真測量法の最大の利点は、測定できる対象物の大きさに制限がないことです。しかし、写真測量法は写真に依存しているために、対象物の色が一様である場合には、いくつかの制限が生じます。このような場合、作成されたモデルには、3Dモデルの測定精度や詳細さのレベルにギャップが生じるという影響を受けることがあります。

LiDAR技術

光検出と測距(LiDAR)技術では、レーザーまたは赤外線を物体または表面に照射して、反射光がセンサーに戻るまでの時間を測定して、変化する距離を測定しています。ドローンに搭載して、測量学、地理学、地質学、林学などでよく使われる高解像度の地図や地球形状のデジタル3D画像を作成できます。また、自律走行車の制御やナビゲーションにも使用されています。この中には、火星の地形上を飛行したヘリコプターである「インジェニュイティ(Ingenuity)」が含まれます。

 

反射された光がセンサーに戻るまでの時間を測定して、車間距離をモニタリングするLiDAR技術

自律走行車の制御やナビゲーションに使われているLiDAR技術(車間距離の測定)

 

LiDARの画像は、実際の写真ではなく再現された画像ですが、この技術は、深度センシングカメラを上回るいくつかの利点を提供しています。深度センシングカメラで得られるのは環境の2Dビューですが、LiDARで得られるのはより正確な3Dビューです。さらに、LiDARには光源が内蔵されているため、夜間でも対象物を観測できます。一方、カメラベースのシステムでは、その機能を最適化するためには十分な光が必要であるため、夜間は信頼性が低下します。

ハンディタイプの3Dスキャナーには、どのようなタイプがあるのでしょうか?

ハンディタイプの3Dスキャナーは、用途によって3つのグループに分類されます。もちろん、そのグレードが上がればそれに応じて精度や汎用性が高まり、価格や信頼性も高くなります。

手頃な価格の3Dスキャナー

最もお手頃な価格の3Dスキャナーは、購入者の予算を使い果たすことなく価値を提供する意図をもったスキャナーです。定評のあるメーカーは、一般的に、文化遺産の保全、破損作品のバーチャルな複製、遺物のコレクション、建築モデルなどの様々な用途に対応でき、魅力的な精度と十分な詳細さのレベルを備えたエントリーレベルの3Dスキャナーを提供しています。

ユーザーがこの製品カテゴリーを選ぶ主な理由は、魅力的な価格です。手頃な価格でありながら、これらのデバイスは研究プロジェクトや学校行事、創作活動の可能性を最大限に引き出せる強力な3D測定機器であることに変わりはありません。

そのシンプルさと使いやすさのおかげで、このプラグアンドプレイ3Dスキャナーは、3Dスキャンへの第一歩を踏み出すユーザーにとって、良い出発点です。広範なトレーニングやセットアップ、準備を必要とせず、学生や初心者は、その優れたレベルの性能を頼りにできます。

 

掘削機をスキャンするために、手頃な価格のプラグアンドプレイ3Dスキャナーを使っている技術者

手頃な価格のプラグアンドプレイ3Dスキャナーで掘削機をスキャンしている技術者

専門家用の3Dスキャナー

専門家用の最適な3Dスキャナーは、製品開発の効率化や、複雑なパーツやサーフェスを素早く測定する必要のあるリバース・エンジニアリング・チームに適した設計になっています。このような専門家は、サイズや形状に関係なく、少ないターゲットでパーツを準備することなく、あらゆる対象物をスキャンする上でスピードと簡便さを要求しています。テクスチャや色彩を十分な精度で取得するために、高い画像解像度が重要となります。

セットアップからリアルタイム・スキャン、そしてすぐに使えるファイル作成までの測定ワークフローのスピードアップを実現する上で、すぐにメッシュが作成でき、3DモデリングやCADソフトウェアとシームレスに統合されている専門家用の3Dスキャナーは最も効率的な3Dスキャナーです。

これらのスキャナーは、顧客のニーズや問い合わせに合ったより良い製品を開発する必要がある革新的な技術者、専門家、中小企業経営者の特定のニーズに対応し、市場投入までの時間を短縮する競争力を提供しています。

メトロロジー・グレードの3Dスキャナー

最適なメトロロジー・グレードの3Dスキャナーは、その素晴らしいスキャン品質とISO-17025規格認証によって、評価されているスキャナーです。「メトロロジー・グレード(寸法検査レベル)」という名称は、精度、解像度、測定の信頼性が、特に優れている意味を表し、これらのデバイスは市場で最も信頼される3Dスキャナーとなっています。

これらのスキャナーは、測定セットアップや環境の不安定さに左右されずに、最高のスキャン品質をもった高精度な3D測定と高解像度のデータ生成を必要としている品質管理分野と品質保証分野の専門家や計測技術者向けに設計されています。

製造企業は、メトロロジー・グレードの3Dスキャナーを使用することで、公差の厳しい特性を持つ重要な検査のすべてを座標測定機(CMM)にまかせて、残りの検査を3Dスキャナーに割り当てられます。こうすることで製品の品質が確保され、報告された品質上の課題をより良く診断し、厳格な要件を遵守しながら初回品検査(FAI)を早く済ませられます。

 

エンジニアにとっては、ヘリコプターのエンジンをスキャンするために、メトロロジー・グレードの3Dスキャナーの高い精度、解像度、測定信頼性が不可欠です。

メトロロジー・グレードの3Dスキャナーでヘリコプターのエンジンをスキャンしているエンジニア

 

3Dスキャナーの購入ガイド:3Dスキャナーの導入に際して考慮すべきこと

どの部分をスキャンする必要がありますか?それをスキャンする目的は何ですか?この2つの質問への回答は、実施する調査や研究の方向性を明確にします。品質管理のための着陸装置のスキャンと、文化遺産の保全のための歴史的遺物のスキャンでは、意図が異なり、結果として同じ3Dスキャナーを必要としてはいません。

スキャンする対象物の大きさは?

航空機全体、自動車のシャーシ全体、エンジンに組み付ける複雑な部品などをスキャンする必要がありますか?パーツサイズは、それが数ミリであれ数メートルであれ、3Dスキャナーを購入する前に考慮すべき最も明白なパラメータです。なぜなら、キャプチャしなければならないボリュームを処理できるスキャナーが必要だからです。しかし、ハンディタイプの3Dスキャナーを使えば、サイズの制約はあまり問題ではありません。ユーザーがスキャナーを持ちパーツの周りを動けば、わずか数分で広い範囲を計測できるからです。

幅広いサイズや表面仕上げを1台で測定できる「汎用性」も、3Dスキャナーを選ぶ際に考慮すべき点です。あらゆるサイズの光沢のある物体や非常に微細な物体の3Dデータを取得できるハンディタイプの3Dスキャナーは、間違いなくあらゆる測定ツールキットに求められるアセットになります。プローブも様々な用途に使用できるため、購入は価値ある投資となるでしょう。

必要なスキャン解像度は?

高いレベルの詳細さが必要ですか(例えば、小さな射出成形プラスチック部品や小さな機械的歯車のスキャンなど)。メッシュの解像度が高ければ高いほど、より多くのポイントがメッシュに含まれ、それらが互いにより密接に配置されます。この結果、より滑らかで詳細な3Dモデルが作成されます。スキャン品質は自動的に高くなり、それに連れてこのタイプの3Dスキャナーの価格も高くなります。

メッシュの解像度が高ければ高いほど、ファイルがより大きく、より複雑になり、3Dスキャン・ソフトウェアの実行や膨大な3Dデータの読み込みには、ハイエンドのゲーム品質のPCが必要になります。

さらに、公差の厳しい重要な特性を扱う場合、スキャナーの測定値がパーツの実寸に近い正確さであることが重要です。航空宇宙業界で品質管理に携わっている方は、最高のスキャン品質を提供する最高精度の3Dスキャナーを必要とする可能性が高くなります。当然ながら、価格と精度は直接的に関連しています。

 

微細なレベルから認識できないほどのレベルまで、解像度の良し悪しの違いを示しているメッシュ

解像度の良し悪しの違いを示しているメッシュ

 

様々な対象物をどれくらいのスピードでスキャンする必要がありますか?

3Dデータの取得と処理にどれくらいの時間をかけることができますか?時は金なり、ですから測定時間は短いほうがいいに決まっています。3Dスキャナーのインスタント・ディスプレイ機能によって、測定した領域がリアルタイムでコンピュータ画面に表示されるため、スキャンセッションが容易となり、セッション時間が短くなります。

前述したように、構造光3Dスキャナーは、ライトストライプ(縞状のライト)を使い、毎秒、多数のポイントを測定しているため、ほとんどの物体を数分でスキャンできます。その結果、3DデータをCADや3Dプリント・ソフトウェアに素早く統合できます。

3Dモデリング・ソフトウェアとのシームレスな統合によって、測定ワークフロー全体が加速され、製品開発のペースにプラスの影響を与え、結果的に市場投入までの時間を短縮できます。

自社に最適な3Dスキャナーを選ぶには?

様々な業種に最適なポータブル3Dスキャナー

あらゆる業界が3Dスキャン技術の恩恵を受けています。3Dスキャナーのおかげで、あらゆる業界の企業が、製造ワークフローを改善し、反復作業を減らして製品開発を最適化し、製品品質を向上させています。

航空宇宙業界向けに最適な3Dスキャナー

リブやストリンガーから燃料ノズルやターボポンプまで、航空機は様々なサイズや形状の何千もの部品で構成され、それらにはしばしば特殊な仕上げや処理が施されています。それぞれの部品の品質は、厳しい性能基準や公差に基づいて管理されなければなりません。

そのためには、航空宇宙業界は、認定を受けた、そして可能な限り高精度な測定機器に頼らざるを得ません。CMMは疑いなく最も正確な計測機器ですが、操作に時間がかかり、訓練を受けた経験豊富な従業員が扱わなければなりません。CMMを必要とする場合が頻繁にあるため、ボトルネックが発生し、生産性に問題が生じることがよくあります。

そのような状況でも、メトロロジー・グレードの3Dスキャナーがあれば、品質管理業務に余裕が生まれます。公差の厳しい特性の重要な寸法はCMMで検査し、残りの管理はサイズ、形状、合金にかかわらず、3Dスキャン技術で対応できます。まとめると、航空宇宙業界向けに最適な3Dスキャナーは、高精度であること、ISO認定を受けていること、そして汎用性を有する機器であるべきです。

 

メトロロジー・グレードの3Dスキャナーで航空機の胴体内部をスキャンするエンジニア(脇のノートパソコンには、3Dスキャンのデータが表示されている)

航空機の胴体内部をメトロロジー・グレードの3Dスキャナーでスキャンしているエンジニア

 

自動車業界と運輸業界向けに最適な3Dスキャナー

大手自動車メーカーが、毎時間、毎日、毎年生産している自動車の台数は驚くほど多く、品質管理と品質保証のプロセスでは、この生産能力と同じペースでサンプル検査時の歩留まりが維持され、ダウンタイムが抑えられ、製造ラインでの問題が迅速に発見、解決される必要があります。

クレイモデラーやデジタルモデラーがそれぞれの持ち味を生かして魅力的なクルマを作るには、デザインプロセスも大切です。このためには、デザインを練り直す時間が必要です。また、CADとクレイモデルの間を素早く行き来し、何度でも改良できなければなりません。

モデリングチームは、クレイモデルを理解し、より良い意思決定をするために、最も精細なレベルの正確な3D計測を必要とします。ここが、3Dスキャン技術の出番です。自動車業界向けに最適な3Dスキャナーは、迅速、正確、かつ高解像度な結果を提供する必要があります。

製造業と重工業向けに最適な3Dスキャナー

製造業や重工業で使用される計測システムは、揺れや振動の多い過酷な環境に耐える必要があります。また、要求される精度基準を満たし、様々な表面仕上げ、形状、サイズに対応できる汎用性と機能性が求められます。

検査する部品や鋳物は大きく、移動が困難なため、ユーザーは3Dスキャナーを生産工場や測定ステーション、作業場まで楽に持ち運ぶことができなければなりません。さらに、データの後処理がシンプルで簡単にでき、測定結果を既存のワークフローにシームレスに統合できるようにする必要があります。

つまり、製造業や重工業向けに最適な3Dスキャナーは、ポータブルで、正確で、多用途に使えるということです。また、統合された3Dソフトウェア・プラットフォームと完全な相乗効果を発揮して動作することが求められます。

石油・ガス業界および他の発電業界向けに最適な3Dスキャナー

石油・ガス業界では、現場でデータ分析とレポート作成を行い、遅延を最小限に抑え、パイプをより早く埋め戻すための迅速な修理の意思決定を行う必要があります。パイプラインの所有者も、長期にわたってデータを保存し、パイプや構造物の損傷の推移を比較できるようにする必要があります。

また、データを取得する作業者の習熟度に結果が左右されないことも、測定のばらつきや結果の解釈のあいまいさをなくすための必須事項です。人為的な誤差を排除することで、技術者のスキルや経験に関係なく、同じ測定結果が得られます。

 

メトロロジー・グレードの3Dスキャナーでインフラストラクチャ・サイトの曲面形状をスキャンするエンジニア(脇のノートパソコンには3Dスキャンデータが表示されている)

メトロロジー・グレードの3Dスキャナーで曲面形状をスキャンしているNDT技術者

 

したがって、石油・ガス業界向けに最適な3Dスキャナーは、正確なデータ、信頼できる診断、トレーサビリティーのある結果を提供することで、パイプライン所有者やNDTサービス企業に安心感を与えるスキャナーです。

医療業界向けに最適な3Dスキャナー

医療業界、特に装具や補綴の分野では、身体の一部を非接触で撮影し、完璧な形状を作り出し、快適な装具や補綴を設計することが求められています。

医師は3Dスキャンの専門家ではないため、詳細なトレーニングを受けなくてもすぐに使いこなせるような、シンプルな3Dスキャナーとユーザーフレンドリーなソフトウェアが必要です。さらに、3Dスキャナーは、どのような環境でも5分以内に使用可能にし、患者にとってシームレスで心配のないプロセスを実現する必要があります。

そのため、医療業界向けに最適な3Dスキャナーは、安全で、直感的で、素早くセットアップできるものでなければなりません。また、人体の複雑で有機的な形状を捉えることができる汎用性も求められます。

科学および教育用途向けに最適な3Dスキャナー

エンジニアリング・コース内の3Dスキャン技術を組み込んだ教育プログラムは、最先端技術を提供し、学生が業界で理想の仕事に就くために必要な知識を提供します。

業界の必要要件に基づいて将来のエンジニアにエンジニアリングの基礎を示すのは、教育者や研究者の役目です。そのためには、教育者や研究者は、レーザーや構造光による3Dスキャナーのような最新の技術やトレンドに常に敏感である必要があります。これは、学生の注目を集め、興味を掻き立てる上でも役立ちます

したがって、科学および教育用途向けに最適な3Dスキャナーは、品質管理やリバース・エンジニアリングなど、業界で需要の高い工程向けに設計されています。プラグ・アンド・プレイのデバイスとユーザー・フレンドリーなソフトウェアは、学生が3Dスキャン技術を効果的に学び、教師がすぐに3Dスキャンの専門家になるために不可欠です。

3Dスキャン・ソフトウェアを選ぶ際に考慮すべきこと

働いている業界に関係なく、直感的でユーザー・フレンドリーな作業環境を提供する統合3Dソフトウェア・プラットフォームの導入を検討しましょう。これにより、最適な使用体験、3Dスキャナーとのシームレスな統合、および迅速な3Dデータの準備を実現することができます。さらに、高度なアルゴリズムを備えたアプリケーション・スイートを選ぶことで、高い精度とデータ品質が保証されます。これは特に品質管理用途に当てはまります。また、新しい機能を開発し、ユーザーの使用体験をよりシンプル、高速、直感的にするため、そのプラットフォームを継続的に改善し続けるように、提供メーカーに奨励してください。

 

3Dスキャン・ソフトウェア・プラットフォームで提供される直感的でユーザー・フレンドリーな作業環境を示しているノートパソコン

統合された3Dスキャン・ソフトウェア・プラットフォームで提供される直感的でユーザー・フレンドリーな作業環境

 

3Dスキャナーにいくら払うべきか?

主に学生が使うような、エントリーレベルの手頃な価格で使いやすい3Dスキャナーをお探しですか?それとも、製品開発を加速させ、開発コストを削減させる中価格帯の3Dスキャナーの方が適していますか?あるいは、品質検査を行うためのスキャン品質、精度、測定信頼性を備えた、メトロロジー・グレード(寸法検査レベル)の工業用3Dスキャナーを選ぶべきでしょうか?3Dスキャナー市場は、あらゆるニーズと予算に対応できるよう、長い時間をかけて進化してきました。

低予算向け3Dスキャナー(1,000ドル以下)

前述のように、価格とスキャン品質には直接的な関係があります。1,000ドル以下では、3Dスキャナーの光学部品やカメラは、リバース・エンジニアリングや製品開発などの工業用途に必要な品質レベルを生み出せません。しかし、このレベルの3Dスキャナーは、レジャーや創作活動など、正確な精度を必要としない基本的な用途向けには、良い出発点となります。低予算の3Dスキャナーを使えば、お金をかけずにデータ取得や処理に習熟することができます。

iPhone向けに最適な3Dスキャナー・アプリケーション

気づいていないかもしれませんが、iPhoneやiPad Proをお持ちであれば、そのデバイスのカメラモジュールはLiDARと統合されています。つまり、Polycam、RoomScan LiDAR、CanvasのようなiPhoneアプリが使えるということです。Pocket 3D Room Scannerは、部屋や物体をスキャンして、ご自分の環境を3Dで表現できます。追加料金なしで3Dスキャンに親しむことができる、素晴らしい方法です!

中価格帯で最適な3Dスキャナー(1,000ドル~10,000ドル)

この価格帯では、文化遺産の保全(例えば、遺物のデジタル化など)、医療(身体部位のキャプチャ、カスタマイズした装具や補綴の作成など)、教育(学生に3Dスキャンの基礎を教えるなど)の用途に必要な精度レベルの3Dスキャナーを選択できます。また、これらの中価格帯の3Dスキャナーは、あまり細かいレベルのディテールを必要としないオブジェクトの場合、CADや3Dプリントの入門用としても有効です。

しかし、品質管理、品質保証、製品開発、リバース・エンジニアリングなど、より高度な用途に携わる専門家は、スキャンした物体の形状や複雑さを正確に再現するために必要なスキャン品質を提供する工業用3Dスキャナーを求めるべきでしょう。

工業用/専門家用の最適な3Dスキャナー(10,000ドル以上)

この価格帯では、サイズ、形状、材質、表面仕上げ、複雑さに関係なく、部品の適合性と品質を検証するために必要な精度、速度、汎用性を期待できます。これらの工業用/専門家用3Dスキャナーの予算は高くなりますが、より多くのデータをより速く、より詳細に測定することができ、検査や製品開発における貴重な時間を節約することができます。

メトロロジー・グレードの3Dスキャナーは、なぜ高価なのか?これまでの説明を読み、おそらく、最上位クラスのデバイスを購入するために、今すぐ節約を始めるべきかどうか疑問に思っているでしょう。まず、自分のニーズと用途を確認する必要があります。家庭や学校での使用など、専門家以外の用途であれば、低価格の3Dスキャナーでも十分すぎるほどです。しかし、最高のスキャン品質、精度、スピード、汎用性を求めるのであれば、工業用/専門家用の3Dスキャナーに投資してください。これらの3Dスキャナーは、品質管理、リバース・エンジニアリング、製品開発など、要求の厳しい用途向けに設計されていて、

その高いスキャン品質は、研究開発(R&D)において重要な役割を担っています。メーカーは、光学部品のテストやソフトウェア・アルゴリズムの開発に、時間とリソース(人的/金銭的)を投入しなければなりません。工業用途に要求される精度、信頼性、厳密さを実現できるのは、業界用/専門家用の3Dスキャナーだけです。結果として、高い価格となります。

とはいえ、その高い価格は3Dスキャン・デバイスだけのものではないことも重視すべきでしょう。継続的なトレーニング、ソフトウェアのアップグレード、修理や貸し出しサービス、母国語でのローカルサポートなども付随しています。さらに、これらのデバイスは、10年程度は使えるように製造されています。低価格の3Dスキャナーとそのサプライヤーは、財政難に直面して、わずか数年で市場から姿を消してしまうことが少なくないため、これは低価格の3Dスキャナーには当てはまらない可能性があります。

賢い投資をしましょう

まず、ご自分の用途を明確にして、ニーズを問うことから、始めてください。工業用途に必要な精度、信頼性、厳密さを提供できるのは、本格的な研究開発プログラムだけであることを忘れないでください。結果的に、プロフェッショナルなタスクを達成するための実績と信頼のある3Dスキャナーを探しているのであれば、工業用/専門家用の3Dスキャナーに投資することを強くおすすめします。

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