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品質管理と安全は、自動車業界の長年の課題でした。自動車設計とそれに続く製造法が目まぐるしく進化しています。それと同時に、完成車メーカーに対し、政府の耐衝撃性規制はますます厳しくなり、より安全な車の開発がこれまで以上に求められるようになっています。
物理的な衝突試験は、最低スコア閾値と格付け要件に適合すべく、車を使って行われます。この試験で、ダミー人形を使い、運転者や同乗者、交通弱者が受ける力や起こり得る怪我を測定します。ダミー人形と衝突した車からデータを収集し、物理的変形、拘束装置の性能や車内のその他の危険を検査します。
以前は、正確かつ信頼性の高い衝突データを得るためには、衝突試験用ダミー人形の複雑なポジショニングに多大な時間を割かなければなりませんでした。例えば、多関節アームによる正確な測定を可能にするには、ダミー人形に多くの測定ポイントを追加する必要がありました。試験結果に歪曲が生じないよう、試験用ダミー人形を体系的に配置するには、ソフトウェア上で何度も試行錯誤を繰り返す必要もありました。
しかも、ダミー人形を使って実施しなければならない衝突試験の種類と数が、検査スケジュールの厳しさにさらに拍車をかけました。
検査の目的のため、衝突試験用ダミー人形は、正確、繰り返し可能かつ記録可能な方法で配置する必要があります。品質管理チームは、ダミー人形の姿勢を物理的に設定するための手順と試験時の配置(シート形状など)を策定する必要があります。
しかし、従来の実施方法では、衝突試験用ダミー人形の物理的配置を人の手だけに頼っていたため、試験結果の精度と信頼性が損なわれていました。このような方法では、検査担当者は、各衝突試験で、各型式の車に対してダミーを正確に同じ配置に設定できたという絶対的な確信を持ちようがありません。
オフセット前面衝突試験と側面衝突試験のいずれにも、カメラベースの測定がダミー人形を配置するための補助として用いられているものの、どちらの試験も、正確な試験結果に必要とされるだけの精度レベルを保証できていませんでした。このため、試験間のばらつきが大きくなりました。
現在は、測定とダミー人形の配置を容易にする、新たなツールとソフトウェアソリューションが登場しています。例えば、ポータブル光学式CMMとダイナミックトラッキング測定ソフトウェアは、衝突試験用ダミー人形の改善に欠かせないソリューションになっています。
高い携帯性:ポータブル光学式CMMとダイナミックトラッキング測定ソフトウェアは容易に持ち運び可能で、衝突試験検査エリアの間近で使用できます。
簡便性:これらのシステムはプラグアンドプレイ方式です。ユーザーフレンドリーなインターフェースを備えているため、オペレーターの習熟度を問わずにお使いいただけます。メトロロジー(工業用寸法検査)の専門知識は必要ありません。
高速性:光学式CMMとダイナミックトラッキング測定ソフトウェアは、衝突試験に先立ってダミー人形の位置合わせが必要なすべての3Dポイントをリアルタイムで素早く測定できます。
効率性:ダミー人形ポジショニングツールを活用すれば、検査担当者は、従来の方法に比べてはるかに迅速に、ダミー人形を所定の位置に配置できます。
高精度:ダミー人形ポジショニングソフトウェアおよびツールは高精度のため、検査チームは、耐衝撃性試験結果を自信をもって評価できます。
ポータブルなプロービングシステム、光学式CMMとダイナミックトラッキング測定ソフトウェアを加えることで、完成車メーカーは、より短時間で重要な衝突試験評価をより効率的に実施できるようになります。これらの技術は、製品化に要する時間の短縮に大変革をもたらすものです。
オーストリアに本社を置く、Capgemini Engineeringのパッシブセーフティセンターは、20年以上の経験を有する、自動車業界におけるカテゴリーAのパッシブセーフティプロバイダーとしてその名を知られています。耐衝撃性や拘束システムの他、歩行者保護や頭内部への衝撃といったその他のパッシブセーフティに関する車内外の問題に関する最新のノウハウを提供しています。その開発は、単一のコンポーネントから完成車両まで多岐に及びます。
Capgemini Engineeringは、カメラベースの測定システムから、HandyProbeポータブルプロービングシステムとMetraSCAN光学式CMM 3Dスキャナーに切り替えました。また、セットアップ時間を短縮できる、VXtrackやC-Trackといった、Creaformの革新的なダミー人形ポジショニングソリューションも活用しています。
Capgemini Engineeringのシニアテストエキスパートであるマンフレド・ハラー(Manfred Harrer)氏は次のように述べています。「チームに新たに加わった3D測定ソリューションによって、時間を大幅に節約できるようになりました。検査担当者は、衝突車1台あたり4時間でデータの取り込みが行えます。さらに、従来のツールでは不可能だった、全試験のセットアップの3Dスキャンが可能になったことで、試験プロジェクトをより効率的に同時処理できるようになりました。最大の効率性と精度によって、Capgemini Engineeringは、完成車メーカーである顧客に適切かつ安全なソリューションを提供できるようになったのです」