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一般的に、ハンドルは、電子制御のシフト切り替えやアンチロールのコントロール、車両の牽引やローンチコントロールモードの選択、ドライバーへの重要な情報の提示といった役割を果たす、レーシングカーの最も重要な要素の1つと見なされています。機能しないハンドルをただ取り付けても、車両は性能を発揮できません。学生たちは、最新の組み込み電子機器、カーボンファイバーの加工、SLA 3Dプリントといった様々な工学分野を結集する必要のある、最適なハンドルの新たな設計を任されました。
ハンドル設計は、複数のサブチームの管理を必要とするため、フォーミュラSAEチームにとって最も複雑なプロジェクトの1つと見なされています。サブチームの管理には外的要因が大きく関わり、設計サイクルの長期化につながる可能性があります。事実、ハンドル構造の管理を通常受け持つのはシャーシチームで、加工は混成チームが指揮し、ドライバーは人間工学的快適性を追求し、電気チームは内部の電子機器すべてを受け持ちます。したがって、1つのサブチームがプロジェクト全体の管理に専念し、幹部の意見を求めつつ、ハンドル完成の全面的責任を負わない限り、これらすべてのシステムを統合することの難しさがサブチーム間の軋轢を生み、ひいてはハンドルの不具合にまでつながる可能性があります。
ハンドルの設計・製造に必要なツールは、広範囲に及ぶトレーニングを必要としない、理解しやすく、使いやすいものである必要があります。プラグアンドプレイツールとユーザーフレンドリーなインターフェースが備えられていれば、新たなメンバーも容易に理解でき、設計に生かせる改良点も特定しやすくなります。
ドライバーは、人間工学的快適性追求のため、粘土で自身のグリップの型を取りました。次に、作成したカスタムグリップをスキャンし、処理して、柔軟かつ堅牢な熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)を材料に3Dプリント加工しました。設計、製造の各チームは、これらの作業に、高速かつ高解像度、簡便性に優れたポータブル3Dスキャナーを使用しました。
高速かつ高解像度、簡便性、携帯性に優れたスキャンソリューションを代表するのが、HandySCAN 3DやGo!SCAN 3Dといったメトロロジー・グレード(寸法検査レベル)の3Dスキャナーと、Creaform ACADEMIAなどの教育ソリューションスイートです。
ハンドルを予定通りレースに間に合わせることができただけでなく、チームは、設計、製造の各段階の時間短縮も達成しました。3Dスキャン技術と積層造形が以下の特長を生み出す推進力となったのです。いずれの特長も、フォーミュラSAEチームが掲げた目標の達成に欠くことのできない要素です。
Wisconsin Racingは、フォーミュラSAEの世界140チームと競い合う、大学のエンジニアリング組織です。Wisconsin Racingは、少なくともここ30年以上、フォーミュラSAEで常に上位に入り、傑出したエンジニアたちを数多く輩出してきました。
電気サブチームリーダー兼ハンドル設計者のジョン・ライアン(John Ryan)氏は、Creaformの3Dスキャンソリューションがいかに役立ったかについて、次のように述べています。「HandySCAN 3Dのような素晴らしいスキャンツールを活用できたことで、ドライバーの人間工学的快適性を追求した、正確かつカスタムなスキャンを作成することができました。ドライバーを満足させることが、車両設計の重要な要素であること、そして、ドライバーが快適にハンドルを握れることがラップタイムの短縮につながることを、私は経験から学び取りました」
ウィスコンシン大学マディソン校工学部の設計・イノベーションラボであるMakerspaceは、Wisconsin Racingチームをはじめ、様々なプロジェクトに参加する工学部の学生を温かく受け入れています。
3Dスキャナーを扱うのはほとんどが学生であるため、Makerspace主任のレノン・ロジャース(Lennon Rodgers)氏は、選択したテクノロジーが「学生にとって真に使いやすく携帯性に優れているか」が最も重要な購入基準であると述べています。
ロジャース氏によると、Makerspaceにはその「高速かつ高解像度、携帯性と簡便性に優れたソフトウェアと業界標準のハードウェア」という観点で一際優れたHandySCAN 3Dが備えられています。事実、チームが求める携帯性と解像度を提供できたのは、Creaform製品だけでした。
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