雹（ひょう）害の評価を最適化して損傷した航空機の地上での保守時間を削減する

特長： 雹害（ひょうがい）評価から最終報告書作成までの時間を短縮

3DスキャンとVXintegrityとの複合効果により、雹害（ひょうがい）評価から最終報告書作成までの所要時間を短縮でき、より詳しい分析が必要な凹み（
へこみ）がある場合には、包括的なデータを航空機のオーナーに提供することも可能です。

分析と報告書作成に用いられた航空機の前縁の凹み

• 時間短縮
  従来の技術では数週間かかる場合もあった評価が、3Dスキャンと航空機検査専用ソフトウェアで、今や、わずかな時間で行えるようになっています。保守メンテナンス・修理作業（MRO）のサービスを提供する企業や部署は、航空機の損傷の評価に費やす時間を大幅に短縮できるだけでなく、手作業での測定や測定器具に起因する人的ミスも低減できます。
• 生産性の向上
  雹（ひょう）を伴う嵐に遭った航空機を丸ごとスキャンし、スキャンした部分を航空宇宙モジュールにインポートすると、機械的損傷の評価が自動的に行われます。ユーザーは、特定の部位を選択して拡大することも、損傷の範囲を測定することも、詳細な報告書を自動で作成することも可能です。評価から報告書作成までのプロセスの大幅な短縮だけでなく、評価の質も向上し、ユーザーは、短時間でより多くの質の高い作業を行えるようになります。
• コミュニケーションの改善
  3Dスキャンなら、航空機の損傷全体をデジタルで記録できます。凹み（へこみ）のマッピングを、分析検査に立ち会わなかった専門家に直接送付できるため、作業の進捗状況や離陸禁止時間がどれぐらいになるかを航空機オーナーや航空会社に随時報告でき、円滑なコミュニケーションが行えます。

3D NDTソリューションのカナダ西部のサプライヤーであるRapid3Dは、雹（ひょう）を伴う嵐の中を飛行し、めったにない、極めて大きな損傷を受けたビーチクラフト1900Dの件で依頼を受けました。

このNDT保全作業向けソリューションのプロバイダーに求められたのは、雹害（ひょうがい）の全容の評価でした。雹による被害は甚大で、機体のほぼ全面に及んでいました。Rapid3Dの社長であるアイラ・ラフィ（Ira Laughy）氏は、次のように述べています。「この大規模な損傷の評価を手作業で行っていたら、途方もない時間を要し、非常に困難な作業になっていたでしょう。機体全体が損傷を受けていました」

2台のMetraSCAN 3Dを使い、チームは32時間（4日）かけて、機体全面をスキャンしました。スキャンデータを取得すると、エンジニアたちはVXintegrityの航空宇宙モジュールを活用して、33枚のパネルのすべての凹み（へこみ）の徹底分析を行いました。

アイラ・ラフィ（Ira Laughy）氏は、次のようにも述べています。「顧客は、損傷の測定方法と照合方法について非常に特殊な要件を提示しました。航空宇宙モジュールには、それを可能にするツールがすべて揃っていました。」 損傷の甚大さと航空機の大きさから、パネルごとの分析の実施と33枚のパネルの報告書作成のプロセスにさらに65時間を要しました。

最終的に、顧客は結果に満足し、顧客が契約している保険会社からのフィードバックも肯定的なものでした。報告書から得られた詳細な情報を基に、顧客は、十分な情報を得た上で、わずかな期間で、損傷した航空機について決断を下すことができたのです。すべての凹みを手作業で測定・照合することなど土台無理な話だったでしょう。